この記事では、樹木に発生する “うどんこ病“ について、当サイトの管理人 ”kodachi” が本などで調べたことを記録しています。
目次
症状
“うどんこ病” の主な症状は下記のとおりです。
- 主に葉に発生するが、新梢や花にも発生する。
- 葉の表面、裏面、あるいは両面がうどん粉のような白いかび(菌糸・胞子・分生子)に覆われる。
- 病原菌は樹の養分を吸収し、その上、葉を覆うので、同化作用が妨げられる。
- 被害が激しい場合は葉が枯れ、樹は衰弱する。
- 展開前の新葉や新梢など、生育途中の柔らかい部分に発生すると、患部が曲がったり縮れて奇形になる。
- つぼみに発生すると開花しなかったり、花弁では色が抜けたりする。
- 病斑部はケロイドの傷となって残ることがある。
- 上記の症状によって美観が損なわれる。
- 発生時期は4〜11月で、春と秋のすずしい季節に多く発生する。
“うどんこ病“ によって樹が枯れることは滅多にありません。
病原菌
“うどんこ病“ は子のう菌類(糸状菌)の仲間に属する絶対寄生菌(生きている植物にしか寄生しない菌)の一つです。
カシ類の “紫かび病“ もうどんこ病菌の仲間に起因しますが、“紫かび病“ は葉の裏面が紫褐色のカビで覆われます。
生活環
“うどんこ病“ は、以下のようにして伝染し、被害が拡大します。
- 春から秋にかけて、うどん粉のような白いかび(菌糸・胞子・分生子)が生じる。
- 菌体は、はじめ円形に生じ、その後、葉の表面、裏面、あるいは両面に広がる。
- それらの菌体が風で飛散して周囲に感染する。
- 春から秋にかけて感染を繰り返し、被害が拡大する。
- 秋の終わりには白色菌体上に、はじめ栗褐色のち黒色の粒状物(子のう殻)が多数生じる。
- その粒状物(子のう殻)が罹病葉や落葉の上で越冬して翌春の伝染源(第一次伝染)になる。
サルスベリやシダレヤナギなどでは宿主の芽の中に菌糸の状態で越冬し、翌春、芽の展開とともに新葉に一気に白い粉が広がるようです。
ギャラリー
発生環境
多くの病気は多湿条件下で発生しますが、“うどんこ病“ は比較的湿度が低く、やや乾燥気味のときによく発生します。
春から秋にかけて寡雨の年に多く発生します。
また、枝葉が過繁茂になって通風や日当たりの不良なところに多く発生します。
発生しやすい樹種
“うどんこ病“ は、きわめて多くの樹種に発生する病気です。
アラカシのうどんこ病
クヌギのうどんこ病
防除方法
“うどんこ病“ の対策としては、病原菌を減らすことが大切です。
- 越冬胞子が形成されている第一次伝染源(罹病枝・梢・葉、落葉、落枝など)を集めて焼却する。
- 病気の発生初期と冬期に殺菌剤を1週間から10日おきに、かけムラがないように葉面散布する。
“うどんこ病“ が発生しにくいよう、環境を整えることも有効です。
- 剪定で日当たりや風通しを良くする。
- 窒素肥料のやりすぎに注意する。
使用できる農薬
樹木類の “うどんこ病“ に使用できる主な殺菌剤には以下のものがあります(2024年2月29日現在)。
また、樹木類の “うどんこ病“ に使用できる主な殺虫殺菌剤には以下のものがあります(2024年2月29日現在)。
- クロチアニジン・フェンプロパトリン・メパニピリム水和剤(樹木類|商品名:ベニカXファインスプレー)
- 還元澱粉糖化物・調合油・BT水和剤(樹木類|商品名:ベニカナチュラルスプレー)
薬剤は用法、用量を守って使用しましょう。
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