ヤノナミガタチビタマムシ

この記事では、樹木を加害する “ヤノナミガタチビタマムシ” について、当サイトの管理人 “kodachi” が本などで調べたことを記録しています。

“ヤノナミガタチビタマムシ” は、「葉を食べる害虫」です。

目次

分類

“ヤノナミガタチビタマムシ” は、コウチュウ目タマムシ科 に属する虫です(学名:Trachys yanoi Y.Kurosawa)。

加害樹種

“ヤノナミガタチビタマムシ” に加害される樹種としては、以下のようなものがあります。

ケヤキ、ムクノキ

形態

成虫は体長2.6〜4.2mm、短大で卵形、上翅は褐色の短毛で覆われ、その中に3本の明確な波形をした銀白色の横帯があります。

老熟幼虫は体長約8.2mm程度、体は細長く、黄緑色でやや光沢があり、頭と胸は扁平で脚はありません。

成虫&幼虫の写真

生活史

  1. 成虫は10月に入ると剥がれかかったような樹皮下や落葉下などに潜り、その中で越冬。
  2. 新芽の活動開始期から新葉の展開時期、成虫は越冬場所を飛び出して若葉を摂食。
  3. 5月上旬ごろから交尾、産卵行動に入り、1葉に1〜数個ずつ、葉肉内に1粒ずつ産卵。
  4. 卵の期間は1週間から10日前後。
  5. 孵化幼虫は卵と葉の接着面から潜入して葉肉を摂食。
  6. 老熟幼虫は落ちた葉または樹上の葉内で蛹化後、約10日間で羽化し、葉から脱出(7月下旬から)。
  7. 新成虫は葉を網目状に摂食。

発生は年1回(一年一化性)です。

被害の特徴

幼虫および成虫がケヤキ・ムクノキの葉を長期間摂食する。
幼虫は葉肉内にもぐって摂食する。摂食された葉は夏に赤く変色し、その後落葉する。摂食された部分は袋状に空洞になり、その葉を透かすと内部にいる虫が透けて見える。
成虫は開葉期と夏〜秋の2回、葉脈を残して葉を摂食するので、摂食された葉は網目状になる。

食害を受けた葉の写真です

防除方法

“ヤノナミガタチビタマムシ” の被害対策としては、虫を駆除することが大切です。

  • 幼虫の入った被害(落)葉を集めて焼却する。
  • 秋期、樹幹にこもを巻き、越冬幼虫を捕殺する。
  • 成虫は葉上によく見られるので、見つけ次第捕殺する。

巨樹での防除は困難ですが、ケヤキは強健なので少々の被害で枯死することはありません。

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