ケヤキヒトスジワタムシ(別名:ケヤキフシアブラムシ)

この記事では、樹木を加害する “ケヤキヒトスジワタムシ(別名:ケヤキフシアブラムシ)” について、当サイトの管理人 “kodachi” が本などで調べたことを記録しています。

“ケヤキヒトスジワタムシ(別名:ケヤキフシアブラムシ)” は、「虫こぶをつくる害虫(虫えい害虫)」です。

目次

分類

“ケヤキヒトスジワタムシ(別名:ケヤキフシアブラムシ)” はカメムシ目アブラムシ科に属する虫です(学名:Paracolopha morrisoni (Baker))。

加害樹種

“ケヤキヒトスジワタムシ” は、ケヤキを加害します。

形態

成虫の体長は1mm以下、有翅胎生雌虫の体長は約1.9mmです。

通常、成虫に翅はなく、生息密度が高くなると翅のある個体が現れて、群れの中の一部が別の場所に移動して増殖します。

生活史

  1. 樹皮の隙間で卵越冬
  2. 春季、新葉が展開する頃に孵化し、孵化幼虫が新葉の裏面に寄生
  3. 幼虫に吸汁された部分はその刺激によって陥没するように葉の表側にこぶのようにふくれだし、入り口は閉鎖される(その時、そこにいた幼虫が虫こぶの中に取り込まれる)
  4. 幼虫は虫こぶの中で増殖し、6月頃有翅胎生雌虫となって虫こぶから脱出
  5. 脱出した有翅虫はササやタケなどへ移住し、そこで増殖
  6. そして、秋(10月頃)にはケヤキに戻り樹皮の隙間に両性雌虫を産む
  7. 両性雌虫は体内に卵を持ったまま固着死亡し、卵はその体皮で保護された状態で越冬
  8. 卵翌春には親虫の体皮ははげ落ちて卵が露出

被害の特徴

春季、ケヤキの葉表に徳利を倒した形の袋状の虫こぶ(名前:ケヤキハフクロフシ)が形成される。
虫こぶの大きさは、長さ5〜10mm、径5〜6mm。
虫こぶの中には、体長1mm前後の小さな虫 “ケヤキヒトスジワタムシ” が詰まっている。
虫こぶは褐色となり、葉は枯死して美観を損なう。
多い時には1枚の葉に5〜8個の虫こぶが付着する。

防除方法

物理的予防

6月頃、虫こぶから脱出した有翅虫はササやタケなどへ移り、そこで増殖しますので、ケヤキの近くにササやタケを植栽しないようにします。

化学的予防

“ケヤキヒトスジワタムシ” は、新葉が展開する前から幼虫の状態で新芽の周りに待機していますので、新葉が展開する頃に新芽の部分を狙って殺虫剤を散布します。

虫こぶ内の虫を殺虫剤で駆除することは難しいので、虫こぶができるまでに対処します。

物理的駆除

有翅胎生虫が虫こぶから脱出する前に、被害葉を見つけて除去します。

使用できる農薬

ギャラリー

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