もち病

この記事では、樹木に発生する もち病 について、当サイトの管理人 “kodachi” が本などで調べたことを記録しています。

もち病 は、「葉を肥大させる病気」です。

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症状

もち病 の主な症状は以下のとおりです。

  • 春の開葉期の後、しばらくして新葉、新芽、花芽の全体もしくは一部が ”もち” のように膨らむ
  • 膨らんだ部分の表面に、白い粉(病原菌の胞子)がふいてくる
  • 被害部はやがて褐色に腐敗してミイラ状になり、被害葉全体が枯死する
  • 発生を繰り返すと、花芽が少なくなる

膨らんだ部分の表面に現れる白い粉は、病原菌の子実層が多数形成されてその先端に生じる担子胞子です。

病原菌

もち病 の病原菌は、担子菌類のもち病菌類に属し、それぞれの種の寄主範囲は狭い。

新葉、新芽、花芽の全体もしくは一部が “もち” のように膨らむのは、この病原菌が侵入感染することよって細胞が肥大するためです。

生活環

もち病の生活環は、以下のとおりです。

  1. 春の開葉期の後、新葉、新芽、花芽の全体もしくは一部が罹患
  2. 罹患部の表面に菌糸層(子実層)が形成され、そこに担子器が形成
  3. 担子器では担子胞子が形成され、その胞子が風雨とともに飛散
  4. 飛散した胞子は新芽などの若い組織に侵入し伝染
  5. 侵入した胞子は菌糸の状態で越冬し、翌春新芽の展開とともに活動を再開

発生環境

もち病 は、降雨の多い時や、排水不良で湿度が高い時によく発生します。

発生しやすい樹種

ツバキ、サザンカ、ツツジ、サツキ、シャクナゲ、クロキ、アセビ、ネジキ、チャノキなど

ツツジに発生したもち病

防除方法

物理的防除法罹患部の表面に白い粉状物が現れないうちに発病葉・花芽を摘去して焼却します。

発病葉・花芽部をそのまま放置すると、その部分から病原菌が飛散して被害が拡大してしまいます。

罹患部を見つけ次第、除去することが大切ですね!

化学的防除法農薬を使用する場合、発病初期に7〜10日間隔でかけむらのないよう丁寧に散布します。

発病が多くなってからでは効果は期待できません。また、春先の薬剤散布は効果がないという報告もあるので、薬剤による防除には期待しない方が良いでしょう。

耕種的防除法過繁茂の枝葉の剪定は風通しが良くなるので有効です。

発病葉・花芽の除去と不要な枝葉の摘葉・剪定を組み合わせると効果的ですね!

使用できる農薬

もち病 に使用できる農薬(殺菌剤)には以下のものがあります(2024年3月15日現在)。

  • メプロニル水和剤(つつじ類、商品名:バシタック水和剤75)
  • 銅水和剤(つつじ類、茶(摘採7日前まで)、商品名:Zボルドー

薬剤は用法、用量を守って使用しましょう。

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