この記事では、樹木に発生する “もち病” について、当サイトの管理人 “kodachi” が本などで調べたことを記録しています。
目次
症状
“もち病” の主な症状は以下のとおりです。
- 春の開葉期の後、しばらくして新葉、新芽、花芽の全体もしくは一部が ”もち” のように膨らむ
- 膨らんだ部分の表面に、白い粉(病原菌の胞子)がふいてくる
- 被害部はやがて褐色に腐敗してミイラ状になり、被害葉全体が枯死する
- 発生を繰り返すと、花芽が少なくなる
膨らんだ部分の表面に現れる白い粉は、病原菌の子実層が多数形成されてその先端に生じる担子胞子です。
病原菌
“もち病“ の病原菌は、担子菌類のもち病菌類に属し、それぞれの種の寄主範囲は狭い。
新葉、新芽、花芽の全体もしくは一部が “もち” のように膨らむのは、この病原菌が侵入感染することよって細胞が肥大するためです。
生活環
“もち病”の生活環は、以下のとおりです。
- 春の開葉期の後、新葉、新芽、花芽の全体もしくは一部が罹患
- 罹患部の表面に菌糸層(子実層)が形成され、そこに担子器が形成
- 担子器では担子胞子が形成され、その胞子が風雨とともに飛散
- 飛散した胞子は新芽などの若い組織に侵入し伝染
- 侵入した胞子は菌糸の状態で越冬し、翌春新芽の展開とともに活動を再開
発生環境
“もち病“ は、降雨の多い時や、排水不良で湿度が高い時によく発生します。
発生しやすい樹種
ツツジに発生したもち病
防除方法
物理的防除法:罹患部の表面に白い粉状物が現れないうちに発病葉・花芽を摘去して焼却します。
発病葉・花芽部をそのまま放置すると、その部分から病原菌が飛散して被害が拡大してしまいます。
罹患部を見つけ次第、除去することが大切ですね!
化学的防除法:農薬を使用する場合、発病初期に7〜10日間隔でかけむらのないよう丁寧に散布します。
発病が多くなってからでは効果は期待できません。また、春先の薬剤散布は効果がないという報告もあるので、薬剤による防除には期待しない方が良いでしょう。
耕種的防除法:過繁茂の枝葉の剪定は風通しが良くなるので有効です。
発病葉・花芽の除去と不要な枝葉の摘葉・剪定を組み合わせると効果的ですね!
使用できる農薬
“もち病“ に使用できる農薬(殺菌剤)には以下のものがあります(2024年3月15日現在)。
- メプロニル水和剤(つつじ類、商品名:バシタック水和剤75)
- 銅水和剤(つつじ類、茶(摘採7日前まで)、商品名:Zボルドー)
薬剤は用法、用量を守って使用しましょう。
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