アカアシノミゾウムシ

この記事では、樹木を加害する “アカアシノミゾウムシ” について、当サイトの管理人 “kodachi” が本などで調べたことを記録しています。

“アカアシノミゾウムシ” は、「葉を食べる害虫(食葉性害虫)」です。

目次

分類

アカアシノミゾウムシ はコウチュウ目ゾウムシ科に属する虫です(学名:Orchestes sanguinipes (Roelofs))。

本州〜九州に分布しています。

加害樹種

アカアシノミゾウムシ” は幼虫、成虫ともにケヤキなどニレ類の葉を食害します。

形態

成虫の体長は2.5〜3mm、体形は長楕円形、体色は褐色で脚は赤い。後脚の腿節が太くよく跳ねる。

機敏な行動・形・色など、すべての点でノミに似ていること、脚の色が赤褐色であることから、”アカアシノミゾウムシ” という名がついたのでしょうね。

幼虫は成熟すると体長4〜5mmで、体形はやや扁平、胸部の幅はやや広く、尾端に向かって先細って尖ります。体色は頭部は褐色、胴部は黄色〜乳白色です(写真1)。

写真1 “アカアシノミゾウムシ” の幼虫

は体長3mm程度、体形はやや扁平な菱形、体色ははじめ白色で漸次淡褐色になります。

生活史

  1. 年1回の発生
  2. 粗い樹皮下などで成虫体で越冬
  3. 4月中旬頃から越冬成虫が活動を再開して葉を食害
  4. 4〜5月頃に葉の中脈に1粒ずつ産卵(写真2)
  5. 孵化幼虫は葉内に潜り、表皮を残して葉肉だけを食害(写真3)
  6. 潜孔は葉の先端や葉縁に向かって進み(写真4)、5月中〜下旬に潜葉内で蛹化
  7. 新成虫は5〜6月頃に羽化して葉を食害
  8. 10月頃には樹皮や落葉の下などで越冬に備える
写真2 葉裏の主脈状にできた産卵痕
写真3 表皮を残して葉肉だけを摂食された被害部(太陽にかざすと透けて見えます)
写真4 産卵痕から葉先に向かって伸びた潜入孔

被害の特徴

  • 青々と茂っていたケヤキが6月頃から急に茶褐色に変色し、時にハラハラと落葉する
  • 幼虫が潜葉した部位は褐変する(写真5&アイキャッチ画像)
  • 葉の展開に伴って奇形する場合もある
  • 成虫の摂食によって、葉に葉脈のみを残した小さな穴(食害痕)があく
  • 葉の褐変や穴によって景観を損ねる
  • 大発生すると被害葉は褐変、落葉する
写真5 幼虫が潜入して褐変した被害部

防除方法

  • 新葉展開期、葉の褐変を注視し、見つけ次第潜葉幼虫を葉ごと摘除処分
  • 成虫を捕殺
  • 成虫の発生初期または直前に、樹幹に殺虫剤を散布

使用できる農薬

  • MEP乳剤

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