モンクロシャチホコ

この記事では、樹木を加害する モンクロシャチホコ について、当サイトの管理人 “kodachi” が本などで調べたことを記録しています。

モンクロシャチホコ は、「葉を食べる害虫(食葉性害虫)」です。

目次

分類

モンクロシャチホコ はチョウ目シャチホコガ科に属する虫(学名:Phalera flavescens (Bremer et Grey))で、九州以北に分布します。

加害樹種

モンクロシャチホコ はサクラ類に時々異常発生し、秋に葉を食い尽くすことがあります。ウメ、カイドウ、ナシ、リンゴなどバラ科植物ほか、多種の広葉樹に群棲して葉を摂食します。

形態

成虫:開張は約50〜58mm、体色は淡灰黄色。前翅基部には黒藍色の円紋と外縁に長大な黒藍色紋があります。

卵:

幼虫:成長すると体長50〜60mmに達します。頭部は黒色、胴部は初め赤紫色(ギャラリー内写真1)で、成長すると紫黒色に変わり(ギャラリー内写真2)、黄白色の長い刺毛を密生。

刺毛に毒はありません。

樹上で静止するときに、頭胸部と尾脚を背方に反らすことから「フナガタケムシ」と呼ばれることがあります(ギャラリー内写真3)。

蛹:

生活史

モンクロシャチホコ は、1年に1回発生します。

  1. 成虫は7〜8月に出現
  2. 雌成虫は葉の裏に数十〜数百個を塊状に産卵
  3. 卵は8〜10月に孵化
  4. 孵化後、幼虫は3齢まで群棲するが、その後、分散
  5. 老齢幼虫は10月頃、地上に降りて地表近くの土中で繭を作って蛹化し、そのまま越冬

被害の特徴

  • 若齢幼虫が群棲して葉を摂食(アイキャッチ画像およびギャラリー内写真4)
  • 食害は先の葉から進む(ギャラリー内写真5)
  • 中齢齢期以降、摂食量が増加し、美観を損ねる(9月頃に目立つ)
  • 秋季の食葉には生育上の実害は生じないが、花芽まで食害されると翌年の開花量が減少する
  • 樹下に赤褐色、粒状・タール状の食糞が大量に落下し、歩道を汚す(ギャラリー内写真6)
  • 年次による発生量の変動が大きく、ときに大発生して全葉を失うことがある

防除方法

  • 群棲する若齢幼虫を枝葉ごと摘除して処分する
  • 発生が多いときには殺虫剤を散布する

幼虫が成長して分散する前に対処すると、効率よく駆除できます。

使用できる農薬

樹木に発生する モンクロシャチホコ の幼虫に使用できる農薬として、

  • エトフェンプロックス乳剤
  • ベルメトリン乳剤・液剤・エアゾル
  • ジノテフラン液剤
  • アセタミプリド液剤
  • クロチアニジン液剤

などがあります。

たくさんありそうですね。

使用できる作物は”樹木類”、病害虫名は”ケムシ類”で探すといいですよ。

老齢になると農薬に強くなるので、できるだけ若齢時に防除しましょう。

ギャラリー

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