この日記では、当サイトの管理人 ”kodachi” が樹木に発生した病虫害を診断し、対策方法を提案します。
はじめに外観できる症状と特徴を写真を交えて解説し、その後、病虫害を決定します。症状から順に読み進めながら管理人”kodachi” と一緒に診断することは、樹木病虫害診断の良いトレーニングになる思います。樹木病虫害に携わる初心者&初級者の診断技術の向上に役立てば幸いです。
間違いも多々あると思いますが、ご容赦ください。
目次
症状
12月中旬、アオキ(斑入り)の葉が茶色く縮れているのをみつけました(写真1&アイキャッチ画像)。
茶色の斑紋の中には葉身内に発生した円形のものも見られました(写真2)。
茶色く縮れた部分を観察すると、黒い小さな粒状物がありました(写真3)。
下の写真はその小黒点状物を拡大した写真です(写真4)。
診断結果
これは “炭疽病“ ですね。病斑上の小黒点は分生子層です。
“炭疽病“ は、アオキやツバキなどたくさんの樹種の葉、果実、緑枝にカビが生える病気です。
葉にたくさんの斑紋が発生しますので、美観を大きく損ねます。
特に、アオキの場合は病斑部が縮れて葉枯れ状になり、激発すると樹全体が暗灰色〜黒褐色に見えるようになります。
生活環
“炭疽病“ は、以下のように感染、拡大します。
- 葉、果実、緑枝に病斑(写真1、2)が発生
- 病斑上に分生子層(写真3、4)が形成
- 病原菌は罹病葉、罹病落葉、土の上で成熟・越冬
- 翌春、子のう胞子が形成され、雨や水やりの跳ね返りで周囲の健全な植物へ伝染
防除
“炭疽病“ を防除する方法としては、
- 病原菌が成熟・越冬する罹病葉、罹病落葉、罹病果、罹病枝を早期に除去する
- 殺菌剤を散布する
が、有効でしょう。
使用できる農薬
“炭疽病” に使用できる農薬(殺菌剤)には以下のものがあります(2024年2月29日現在)。
- チオファネートメチル水和剤(かき、樹木類|商品名:トップジンM水和剤)
- ヘキサコナゾール水和剤(樹木類|商品名:アンビルフロアブルなど)
- イミノクタジンアルベシル酸塩水和剤(かき、樹木類|商品名:ベルクート水和剤など)
- ベノミル水和剤(かき、樹木類|商品名:GFベンレート水和剤など)
- マンゼブ水和剤(みかん、かき、りんご、樹木類|商品名:MICペンコゼブ水和剤など)
新葉が展開する春先に散布しましょう。
薬剤を散布する前に罹病葉や罹病落枝を除去しておくと農薬の使用量を減らすことが出来ますね!
“炭疽病“ の詳細については下記の記事をご参照ください。
炭疽(たんそ)病
この記事では、樹木に発生する “炭疽(たんそ)病” について、当サイトの管理人 ”kodachi” が本などで調べたことを記録しています。 “炭疽病” は、「葉に斑点をつくる病…
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