この記事では、樹木に発生する “炭疽(たんそ)病” について、当サイトの管理人 ”kodachi” が本などで調べたことを記録しています。
目次
症状
“炭疽病” の主な症状は下記のとおりです。
- 葉の先や縁では不整斑が拡がり、葉枯れ状になる
- 葉の中央部では不整円斑〜不整斑を形成
- 病斑の色は暗灰色、暗褐色ないし黒褐色
- 果実や緑枝にも黒褐色の病斑が発生
- 病斑の周縁部は濃淡色で輪郭がはっきりしており、健全部との境は明瞭
- 発生後期には病斑上に小黒点(分生子層)が多数形成
- 湿潤時には淡桃色〜鮭肉色の粘塊(分生子の集塊)を滲出
- 葉が古くなると病斑部に穴が開く
- 激発した場合には樹全体が暗灰色〜黒褐色に見える
湿潤時に滲出する淡桃色〜鮭肉色の粘塊(分生子の集塊)が被害同定のポイントになりそうですね。
病原菌
“炭疽病” の病原菌は子のう菌類(糸状菌:カビの仲間)です。
生活環
“炭疽病”の生活環は、以下のとおりです。
- 葉、果実、緑枝に病斑が発生
- 病斑上に分生子層が形成
- 病原菌は罹病葉、罹病落葉、あるいは土の上で越冬
- 翌春、子のう胞子が形成され、雨や水やりの跳ね返りで周囲の健全な植物へ伝染
- 葉の老化、日焼け、擦れ、害虫の食害などがきっかけで発病
- 激発した場合は、樹全体が暗灰色〜黒褐色に見える
発生しやすい樹種
アオキの炭疽病
チャノキの炭疽病
ネズミモチの炭疽病
防除方法
“炭疽病” を防除する方法は以下のとおりです。
- 第一次感染源である罹病葉、罹病落葉、罹病果、罹病枝を早期に除去する
- 殺菌剤を散布する
使用できる農薬
“炭疽病” に使用できる殺菌剤には以下のものがあります(2024年2月29日現在)。
- チオファネートメチル水和剤(かき、樹木類|商品名:トップジンM水和剤)
- ヘキサコナゾール水和剤(樹木類|商品名:アンビルフロアブルなど)
- イミノクタジンアルベシル酸塩水和剤(かき、樹木類|商品名:ベルクート水和剤など)
- ベノミル水和剤(かき、樹木類|商品名:GFベンレート水和剤など)
- マンゼブ水和剤(みかん、かき、りんご、樹木類|商品名:MICペンコゼブ水和剤など)
薬剤は用法、用量を守って使用しましょう。
“炭疽病“ については下記の記事もご参照ください。
アオキの葉が茶色く縮れて・・・|炭疽(たんそ)病
この日記では、当サイトの管理人 ”kodachi” が樹木に発生した病虫害を診断し、対策方法を提案します。 はじめに外観できる症状と特徴を写真を交えて解説し、その後、病…
コメント