この記事では、樹木に発生する “褐色こうやく病” について、当サイトの管理人 ”kodachi” が本などで調べたことを記録しています。
目次
症状
“褐色こうやく病” の主な症状は下記のとおりです。
- 幹や枝の表面を厚いフェルト状の菌糸の膜が覆う
- 色は中央部で灰褐色〜暗褐色、周縁部で白色ないし灰白色
- 表面は革質、粗造で、中央部は固いが周縁部は比較的柔らかい
- 長径1〜10cm大の不整円形ないし楕円形
- 菌糸膜を剥がすと菌に寄生されたカイガラムシの虫体が認められることが多い
罹病した枝は、先端から徐々に衰弱して罹病部あたりまで枯れ下がることがあります。
病原菌
“褐色こうやく病” の病原菌は担子菌類です(学名:Septobasidium tanakae)。
生活環
“褐色こうやく病”の生活環は、以下のとおりです。
- 6月頃、幹や枝の表面に灰白色〜淡灰褐色の菌叢が伸びる
- その後、中央部が灰褐色〜暗褐色でビロード状の厚い菌糸膜となる
- 菌糸膜上に担子胞子が形成
- 担子胞子は風によって、あるいはカイガラムシの体に付着して伝播
担子胞子はクワシロカイガラムシに寄生し、その分泌物・排泄物を栄養源として繁殖します。
樹皮からも栄養分をとって成長します。
発生しやすい樹種
サクラ類に発生した褐色こうやく病
防除方法
“褐色こうやく病” の対策としては、下記の方法があります。
- 菌糸膜を剥ぎ取る
- カイガラムシ類を防除する
- 罹病枝を可能な範囲で剪定・除去する
不要な枝葉を取り除き、日射、通風環境を整えることも有効です。
使用できる農薬
“褐色こうやく病” に使用できる農薬は見当たりませんでした。
見つけたらすぐに取り除きましょう
“褐色こうやく病“ については下記の記事もご参照ください。
サクラの幹に茶色い膜が・・・|褐色こうやく病
この日記では、当サイトの管理人 ”kodachi” が樹木に発生した病虫害を診断し、対策方法を提案します。 はじめに外観できる症状と特徴を写真を交えて解説し、その後、病…
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