この日記では、当サイトの管理人 ”kodachi” が樹木に発生した病虫害を診断し、対策方法を提案します。
はじめに外観できる症状と特徴を写真を交えて解説し、その後、病虫害を決定します。症状から順に読み進めながら管理人”kodachi” と一緒に診断することは、樹木病虫害診断の良いトレーニングになる思います。樹木病虫害に携わる初心者&初級者の診断技術の向上に役立てば幸いです。
間違いも多々あると思いますが、ご容赦ください。
目次
症状
4月初旬、ヤマザクラの幹に茶色いフェルト状の膜のようなものが張り付いているのを見つけました(写真1)。
見つけたフェルト状物の特徴は以下のとおりです。
- 大きさ:長径13cm程度
- 形:不整円形
- 表面の質感:粗造で、中央部は固く、周縁部は比較的柔らかい
- 色:中央部で褐色、周縁部で灰白色
診断結果
これは “褐色こうやく病“ です。
“褐色こうやく病“ は、幹や枝に厚いカビが生える病気です。
生活環
“褐色こうやく病” の生活環は、以下のとおりです。
- 6月頃、幹や枝の表面に灰白色〜淡灰褐色の菌叢が伸びる
- その後、中央部が灰褐色〜暗褐色でビロード状の厚い菌糸膜となる
- 菌糸膜上に担子胞子が形成
- 担子胞子は風によって、あるいはカイガラムシの体に付着して伝播
防除
“褐色こうやく病“ の対策としては、
- 菌糸膜を剥ぎ取る
- 罹病枝を可能な範囲で剪定・除去する
- カイガラムシ類を防除する
- 不要な枝葉を取り除き、日射、通風条件を整える
が、有効でしょう。
罹病した枝は、先端から徐々に衰弱して罹病部あたりまで枯れ下がることがありますので、見つけ次第取り除きましょう。
使用できる農薬
“褐色こうやく病” に使用できる農薬は見当たりませんでした。
フェルト状物を取り除いた跡に殺菌剤を塗りたかったんんだけど・・・残念
今回はフェルト状の菌糸膜を、毛が硬いブラシで擦りました(写真2)。綺麗な樹皮が現れました。
“褐色こうやく病“ の詳細については下記の記事をご参照ください。
褐色こうやく病
この記事では、樹木に発生する “褐色こうやく病” について、当サイトの管理人 ”kodachi” が本などで調べたことを記録しています。 “褐色こうやく病” は、「幹や枝に厚い…
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