この記事では、樹木を加害する “ナミアゲハ” について、当サイトの管理人 “kodachi” が本などで調べたことを記録しています。
分類
“ナミアゲハ” は、チョウ目アゲハチョウ科に属する虫です(学名:Papilio xuthus Linnaeus)。
単に “アゲハ”、または “アゲハチョウ” とも呼ばれます。
加害樹種
“ナミアゲハ” の幼虫が、ミカン科樹木(ミカン、カラタチ、サンショウ、キハダ、レモンなど)の葉を摂食します。
柑橘類を食樹とするアゲハチョウ類には、”モンキアゲハ”、”カラスアゲハ” などがいます。
形態
成虫は開帳80〜120mmの美しいチョウです。
卵は、直径1mm程度の球形で、最初は黄白色をしていますが、卵の中で幼虫が成長してくると黒ずんできます。
1齢幼虫は黒褐色で体表に多くの突起があり、ケムシのような形をしています。
1齢幼虫が脱皮して2齢幼虫になると、毛が少なくなりイモムシ形となります。また、黒褐色の地に白色の帯模様が入る独特の体色に変化します。
以後、4齢幼虫まではこの体色のままで成長します。
終齢幼虫(5齢幼虫)になると体長は約45〜50mmに達し、胸部背面は隆起してイモムシらしくなります。黄緑色の胴部に4本の鶯色〜濃緑色帯と、胸の左右に眼状の斑紋(眼状紋)が特徴です。
生活史
”ナミアゲハ” の生活環は以下のとおり。
- 成虫の活動期は3〜10月で、その間に2〜6回発生
- 成虫は葉裏に1個ずつ産卵
- 幼虫は通常5回の脱皮を経て蛹になる
- 蛹の状態で越冬
被害の特徴
幼虫が、葉を縁取るように摂食します。
被害が進むと、葉は主脈を残して食べ尽くされますので、光合成ができなくなり、樹が衰弱します。
成木よりも、新葉がよく出る若い樹によく発生します。
集中的に多発することは滅多にありませんが、中齢期以降は1頭の摂食量が多く、小さい樹では大きな被害となることがあります。
防除方法
防除方法としては
- 幼虫や卵を見つけて捕殺する
- 発生初期に殺虫剤を樹全体に散布する
などがあります。
幼虫や被害葉は見つけやすいので、丁寧に観察していれば、被害の発生は容易に気づきます。
成熟した幼虫は食害量が多いので、早めに対処することが大切です。
使用できる農薬
使用できる殺虫剤としては
- クロチアニジン水溶剤
- BT水和剤
などがあります。
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