この日記では、当サイトの管理人 ”kodachi” が樹木に発生した病虫害を診断し、対策方法を提案します。
はじめに外観できる症状と特徴を写真を交えて解説し、その後、病虫害を決定します。症状から順に読み進めながら管理人”kodachi” と一緒に診断することは、樹木病虫害診断の良いトレーニングになる思います。樹木病虫害に携わる初心者&初級者の診断技術の向上に役立てば幸いです。
間違いも多々あると思いますが、ご容赦ください。
目次
症状
6月中旬、シラカシの葉表に黄色いまだら模様が発生しているのをみつけました(写真1&アイキャッチ画像)。
黄色いまだら模様が発生している葉には、よじれなど奇形となっている葉も見られました(写真2)。
黄色い部分の葉裏を観察すると、紫褐色のビロード状になっていました(写真3)。
下の写真はそのビロード状物を拡大した写真です(写真4)。
ビロード状物の上に、白色の菌叢が見えますね。
診断結果
これは “紫かび病“ ですね。
“紫かび病“ は、シラカシやアラカシの葉にカビが生える病気です。
葉表にたくさんの黄色いまだら模様が出ますし、葉も奇形となりますので、美観を大きく損ねます。
生活環
“紫かび病” は以下のように伝染し、被害が拡大します。
- 春季、若い葉の表面に黄色(中央部は褐色)の不整斑を生じ、その裏面に白色・粉状の円状菌叢が拡がる
- 菌叢は次第に灰褐色〜紫褐色、ビロード状となる
- 7月頃から、菌叢の表面あるいは埋もれるように小黒点(閉子のう殻)が密着して形成される
- 秋以降は菌糸塊が次第に拡がり、葉上にいつまでも残る
- 閉子のう殻の形態で越冬して、また、越冬菌叢上に分生子が新生され、子のう胞子・分生子がそれぞれ第一次伝染源になる
防除
“紫かび病“ の病原菌を減らす方法としては、
- 第一次感染源である罹病葉、罹病落葉を除去する
- 殺菌剤を散布する
が、有効でしょう。
使用できる農薬
“紫かび病” に使用できる農薬(殺菌剤)には以下のものがあります(2024年3月12日現在)。
“紫かび病” は発生率が高い病気で、いったん発生すると年々蔓延していきますので、発生初期の対策が重要です。
農薬を使用する際には、必ず適用作物と病害虫を確認して下さいね。
“紫かび病“ の詳細については下記の記事をご参照ください。
紫かび病
この記事では、樹木に発生する “紫(むらさき)かび病” について、当サイトの管理人 ”kodachi” が本などで調べたことを記録しています。 “紫かび病” は、「葉にカビが生…
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